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入道坊主 (にゅうどうぼうず)

 愛知県、福島県に伝わる妖怪。

 

愛知県の伝承

 

   11 入道坊主(南設楽郡)
 作手つくで村大和田の阿部助左衛門が天保十四年十一月のこと、古戸の友人と猟に行き御嶽山で日が暮れ友人の家まで帰ったが、雨が降るので宿れというのをきかず自宅へ帰る途中玉坂まで来るとお寺の和尚が来る様子だので近づくと大坊主になった。入道坊主に違いないと、傍の石に腰を下し所持の鉄砲を足に目がけて放ったら姿が消えたという。それから人呼んで「鬼もかなわぬ助左衛門」といったという。今でも玉坂には入道が出るという。
 入道坊主に逢う時は、始先方から三尺程の小坊主が来るのが見え、次第に大きくなって、二三間先になると八尺から一丈位の大坊主になる。その時「見越入道よおれが見越したぞ」というと消えるが、先に入道から「見ていたぞ」と言われると自分の方が死ぬという。この入道坊主は狸の化けたのという。

『愛知県伝説集』 愛知県教育会 郷土研究社 1937

 

ニュウドウボウズ 入道坊主、見越し入道のことである。三河の作手村で曾てこれを見たという話がある。始めは三尺足らずの小坊主、近づくにつれて七八尺一丈にもなる。先ずこちらから見て居たぞと声を掛ければよし、向うからいわれると死ぬという(愛知県伝説集)。

「妖怪名彙」 柳田國男 1938・1939

 

福島県の伝承

 鼬が人間の肩の上に立って化かすものだとされ、見上げていると鼬に喉を噛まれると云う。この怪に遭ったときは、肩に手をやって鼬の足をつかみ、地面に叩きつければよい。

参考文献

本妖怪事典』 村上健司 毎日新聞社 2000

 

引用文献の底本

本 『愛知県伝説集』 愛知県教育会 郷土研究社 1937
本妖怪談義 (現代選書)』 柳田國男 修道社 1956
本妖怪談義 (講談社学術文庫)』 柳田國男 講談社 1977

 


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